結婚まで物語[第6話:結婚まであと半年]-『ぷらむずぶっく』

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★独り言★

独り言はありませーん。

結婚まであと半年

マンションを借りてからは、週末ごとに彼女が来ていたので、その間は"同棲ごっこ"のような状態になり、しばらく現実逃避の状態が続いていました。

付き合い始めて3年も経てば、デートの行き先にも困ります。

「あそこも行ったし、あそこにも行った。今週はどうしよう? どこか行きたいとこある?」
「別にない」
という状態ですから(^^;) 。でも、そういう心配もする必要がなく、週末になると部屋でごろごろできるというのは何だか怠惰ではありますが、楽しかったのです。

そして、マンションに移ってから4ヶ月後、それは突然にやってきました。

夜10時を過ぎようかという時間に、彼女から電話があったのです。いつまでも言い分を聞いてくれない親と大喧嘩をしてたった今、家を出てきた、と。荷物が重いし、○○駅まで迎えに来てくれ、と。

僕は電車で彼女の待つ駅まで迎えに行き、ほとんど最終の電車で二人でマンションへ帰ってきました。そして本当の同棲生活が始まることになったのです。

ところが、よくよく聞いてみると彼女は親に行き先を告げていないのです(当たり前?)。親はきっと心配しているだろうし、このまま知らん顔をしているわけにもいかないので、僕は週末になってから彼女の親に電話を掛けました。

娘さんは預かった、いや、ちゃうちゃう、娘さんは今僕のマンションにいます。話があるので今からそちらへお邪魔してもいいですか、と。

そして、僕は彼女の家に再び、今回は一人で乗り込んだのでした。

お父さんは「お前らはやり方が汚い」と怒り、お母さんは「とにかく娘の無事が分かって良かった」と涙を流していました。でも、二人とも「よくぞ正々堂々と家まで来て、話をしてくれた」とその部分に関しては僕を評価してくれました。

結局、反対してもまた家を出るだけだし、そこまでするくらいなら二人で勝手にしろ、とにかくまあ、娘には家に帰ってくるように伝えてくれ、ということになり、しばらくして彼女は家に戻りました。

僕たちの同棲生活はわずか10日で終わりましたが、二人にとっては強引なやり方が功を奏した、ということになるでしょう。

そして僕たちは、「勝手にしろ」というなら、と、次の年に結婚することに決めました。僕がマンションを借りた辺りから、来年くらいには、という話をしていたのです。そして、最初の方に並べた4つの法則もこうなれば御破算です。

彼女の親はいやいや認めた、という感じではありますが、一応は(やっと!)二人の結婚を認めてくれたので、僕たちとしてもできるだけ言うことを聞くつもりでした。その一つが"ちゃんと結婚式は挙げること"。

もちろんこれに異を唱えるはずもなく、僕たちはそそくさと結婚式場の予約をしに行ったのでした。そのわずか3ヶ月後にとんでもないことが起こるとは知らずに・・・。

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