結婚まで物語[第11話:結婚まであと3日(PART1)] -『ぷらむずぶっく』

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★独り言★

独り言はありませーん。

結婚まであと3日(PART1)

式まであと4日。結婚後の新居となる社宅に、すでに僕は一人で住んでいました。もちろん、彼女は実家です。

そしてその夜、彼女から電話が掛かってきました。

お父さんの具合が良くないので、結婚式を中止しよう、と。実はお父さんの入院以降、何度か結婚式の中止や延期についていろいろ話したことはあったのでした。

そして、結局おじさんに代理をお願いするということで結婚式を挙げようという話になっていたのです。

しかし、この日はそれまでとは様子が違いました。しかも電話は病院からです。

お父さんの具合が悪く、親戚もきっと落ち着いて式に出ていられない。何かあればすぐに病院に駆けつけられるような体勢をとっておきたい。そんなことを言うのです。

「そんなに悪いのか?」「うん。私だけ出るというのでOKだったらそれでもいいけど」

結婚式や披露宴に新婦側の親族がまったくいない、なんていう式が挙げれるわけはありません。

でも・・・ここまできて中止?そんなことが可能なのか?連絡は?費用は?現実的な問題がどんどんと浮上してきます。

彼女はこれから徹夜でお父さんのベッドの横についている、と言うので、諸々の手続きはすべて僕がしなければなりません。ただでさえ、頼りないのに(^^;)・・・。

いろいろと話した結果、披露宴は取り止めにして、とりあえず式だけ挙げるという方向で考えよう、ということになりました。式だけなら親戚も何人かはどうにかなるだろう、と。

式まであと3日のその日、僕は会社を昼から早退し、式場へ変更の打ち合わせに行きました。披露宴の取り止め、延期の検討、費用の交渉、話は1時間や2時間では終わりませんでした。

そして、旅行会社へ行き、新婚旅行のキャンセルの手続き。

披露宴に来てくれるはずだった人たちへの中止の連絡。

引き出物配送中止依頼の連絡。

夜、社宅へ帰ったときはへとへとでした。

そして夕食の後、一息ついたところへ彼女から電話がありました。

「今すぐ、私の喪服を持って病院に来て」

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